4月8日(日)
4月になったとはいえこのところ花冷えの寒い日が続いたが、やっと晴天が見込まれる一日、南紀の姫越山(ひめごやま)へ仲間3人と山行する。
朝6時半に集合し、東名阪道から伊勢道を走って、午前8時過ぎに南紀大紀町 錦漁港の「向井浜遊パーク」の駐車場に着く。
ここまでくるとやはり名古屋とは違って温暖な気候で、風もないいい天気である。
支度を整え、8:15に出発する。
地図を十分に確かめなかったため、予定の登山口を間違え、避難所を兼ねた近畿遊歩道になっている所から入山する。
南国らしいウバメガシなどの常緑樹の林を少し上り、山腹につけられた巻き道を芦浜池との分岐点までいく。
9時半過ぎ芦浜へ下る道との分岐に着き、そこから左に折れてかなり急な尾根道を登りだす。
一汗かいて10:40前姫越(459m )に着く。
少し先でもう一つの登山道から上がってきた道と合流する。
その先少し行くとお姫様伝説のある「姫塚」がある。
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姫塚伝説
昔かよわい姫様とお伴の爺が山路を急いでいた。
疲れ果てて動けなくなった姫様のために、爺は谷川まで水を汲みにいった。
しかし、爺が戻ったときには、姫様は既にこと切れていた。
悲嘆にくれた爺は自害した、という哀しい姫塚伝説。
姫越山の山名もこの伝説に由来するとか?
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11:00、2等三角点の立つ姫越山山頂に到着する。
山頂からは東の海側の展望が開け、眼下には芦浜の白い浜の湾曲したカーブがきれいである。
芦浜池も眼下に見える。
少し早いがここでゆっくりと昼食を摂る。
その間に2つほどパーティーが登ってくる。
記念写真を撮った後11:45下山にかかる。
登って来た尾根道を芦浜峠まで引き返し、峠から芦浜に行ってみることにする。
15分ほど下り、堰堤を乗り越すと、突然目の前にきれいに湾曲した芦浜の浜が飛び込んでくる。
誰もいない砂浜でしばし時を忘れてのんびりとする。
山頂から帰りに海へ直接下ることができるような山は初めてである。
この浜は両脇を断崖に囲まれており、山越えをして来るか、船で海から来る人しか見ることができない。
かつてここに原発計画が持ちあがったが、地元の反対で立ち消えになったことで有名な浜である。
昨年の3.11の東北大震災での福島原発の事故を見るにつけ、このような美しい浜に原発ができなかったことは、今となっては幸いであったといわねばなるまい。
すぐ横には芦浜池もある。
午後1時半、去りがたい浜を後に来た道を登り返して、帰りは海岸沿いの山にほぼ水平につけられた近畿遊歩道を下る。
途中の展望台からは美しい太平洋をかいま見ることができる。
錦湾を囲む半島先端の黒崎展望台を過ぎると道は下り始め、しばらく歩くと舗装道路に出る。
車の駐車場がある展望台のあたりからは道の両側には桜が植えられており、ちょうど満開である。
桜の谷を前景に、錦湾の背後には今日登って来た姫越山がそびえている。
桜のトンネルを下り、15:30駐車場に無事戻ってくる。
標高は高くないが、歩いた距離は相当あり、万歩計の数字は三万歩を示していた。
今日は、この春一番と言っていいほどの晴天に恵まれ、姫越山からの眺望もさることながら、芦浜海岸の美しい風景に出会えたのは思わぬサプライズであった。
おまけに桜の満開にも出会うことができた楽しい山旅であった。
山遊人