夏本番の南アルプス:小河内岳
 8月2日(木)

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山仲間と二人で南アルプスの小河内岳に日帰り登山に行く。
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小河内岳は、以前計画して行けなかった山であり、登ってみたい山の一つであった。
夏本番の安定した天気が予想された一日、夜行発の日帰り登山で計画する。
前日午後10時に出発し、中央道の松川ICを出て小渋ダムを通り、大鹿村から鳥倉林道を上がり、午前1時過ぎに鳥倉駐車場に着く。
40台ほど留められる駐車場には20台ほど車が停まっているが、平日のためまだすいている。
車の中で仮眠して、午前3時過ぎに起き、準備を済ませて3:50鳥倉林道を歩きだす。
まだ暗いのでヘッドランプを点けて舗装された林道を行く。
上空にはたくさんの星と満月に近い月が出ており、今日の晴天が期待される。
40分ほど歩いて林道終点のトイレも整備された三伏峠への登山口に着く。
ここから左手の登山道に入り、明るくなりかけたカラマツ林の中をジグザグに登っていく。
豊口山の山腹を回り込むようにし原生林の林を行き、5:30豊口山とのコルに出る。
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道道はすぐ前の小さなピークの手前から尾根の北側を巻きながら登っていく。
途中の崖にかけられた桟橋はかなり傷んでいる。
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徐々に高度を上げると、途中の木の間越しに中央アルプスが雲上に浮かんでいるのが見える。
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水場を通り、塩川からの道を合わせ、最後の急登を30分ほど登り、午前7時日本で一番高い峠(2615m)「三伏峠」に出る。
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ここには三伏小屋が建っている。
しばらく休憩した後テントサイトを通り、塩見岳への道を左に分け、小河内岳への道を少し下る。
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すぐにお花畑に出る。
な等の花が最盛期のお花畑は色とりどりのお花が咲いておりきれいだが、残念ながら植生保護のためか、鹿の食害を防ぐためかフェンスが道の両側に張られており、金網越しにしか見ることができない。
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お花畑を過ぎ稜線に出て、ダケカンバやコバイケイソウの森を抜け、右側が大きく崩壊した稜線を烏帽子岳を目指す。
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午前8時烏帽子岳山頂に立つ。
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山頂に立つと、いままで見えていなかった雲の上に頭を出した富士山がと突然目に飛び込んでくる。
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北には目の前に塩見岳、遠く仙丈ヶ岳、北岳などの南アルプス北部の山々、西には中央アルプス、北西には槍・穂高連峰も雲の上に浮かんでいる。
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富士山を目の前に見ながらの気持ちのいい稜線歩きが続き、前小河内岳を過ぎるとハインツの緑の斜面が美しいたおやかな小河内岳が近づいてくる。
山頂には三角屋根の避難小屋も見える。
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最後の登りをこなして8:50今日の目的の山小河内岳山頂に着く。
山頂からは目の前に荒川三山、赤石岳などの南部の山々がどっしり聳えている。
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足元の避難小屋の後にはやや雲が多くなったがまだ富士山が見えている。
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他に誰もいない静から山頂で、大展望を御馳走に、ゆったりと休憩をする。
9:50登ってきた道を下山にかかる。
このころより段々と雲が谷から湧き出してくる。
途中からはガスも出始め、展望もきかなくなる。
やはり夏の山は早朝から午前10時頃までが展望がきくが、段々と雲が出てくるので、早や立ちが鉄則である。

登りにはほとんど他の登山者に会わなかったが、下りでは多くの登ってくる登山者とすれ違う。
小屋を過ぎるころからは完全にガスの中である。
豊口山とのコルを過ぎる頃からは予想もしていなかった雨が降り出し、あと少しで登山口というところでは激しくなった雨に上だけカッパを着る。
ますます激しくなる雨に、林道に出るころにはズボンもびしょ濡れである。
夏の山では局地的な雷雨がいつ起きるかわからない。
雨の降りしきる中、長い林道を黙々と歩き、14:38駐車場に戻る。
帰りに日帰り温泉でびしょ濡れになった体を温め、午後7時半過ぎに名古屋に戻ってくる。



今日の山行は、11時間、20kmを歩き通すという長時間山行であったが、天気に恵まれて、久し振りに夏の稜線歩きの醍醐味を味わうことができた山行でもあった。
いいトレーニングにもなり、これからもこういった山行を積極的にやっていきたい。

                        山遊人