その4
杉浦 久也 さん
3月9日(土)快晴 8:00 マイナス32℃ 23:00 マイナス25℃
朝食:ジャガイモ+人参+玉ねぎスープ(コンソメ味)、目玉焼き、ブロッコリー、黒パン、コーヒー、牛乳
食後仮眠
14:00 スーパーへ買い物。牛乳、パン、卵などを調達。
14:40散策に出る。バス道を南東に向かって歩く。
ユラクセン・ヨプーの看板とコテージ群
2キロほど行くと、左手の森の中に赤壁の大きな建物が見えてくる。屋根の看板にアカスホテリ・ラップランドホテルズ(Akashotelli Lapland Hotels)と書いてある。われわれが最後の2晩宿泊予定のところだ。湖面へ出る道を苦労して見つけ、15:50ころコテージへ戻った。
Yllaksen Yopuuのサウナ小屋(右の桟橋から湖水に飛び込める)
サウナに入る。
夕食:鶏肉ソテー(味付けがしてあり、フライパンで焼くだけ)、やわらかくて旨い。キャベツとパプリカを電子レンジで加熱し、マヨネーズをかけて食べる。ところがこのキャベツの固いのには驚いた。包丁がなかなか通らない。ただしよく噛んでいると甘みが出てくる。
今夜は星がよく見える。暗くなるとすぐ湖面に出て、オーロラの発見に努める。22:30頃、北の空に淡い帯があるが、オーロラかどうか判然としない。こんな時は試し撮りに限る。家内のカメラに写ったのは空一面の赤色の中に、かすかに緑色の縦模様である。オーロラである。みるみる縦縞がはっきり現れ、それが盛んに動く。湖面の遥か東の方から日本人観光客らの歓声が聞こえてくる。「すごーぃ!」の連発だ。こんな大騒ぎする日本人をフィンランド人らはどう考えるか。
午前零時前に撮影を打ち切り部屋に戻る。
23:00頃のオーロラ
3月10日(日)曇り 8:00 マイナス18℃ 11:00 マイナス9℃
気温の変化が著しい。
朝食:トースト、目玉焼き、野菜スープ(ソーセージ少々、キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、コンソメ味)、コーヒー+牛乳
家内がトナカイの肉を食べたいと言うのでスーパーへ出かけた。値段の高いのに驚く。350gで22.40€だ。店のおじさんが調理法を教えてくれた。バターをフライパンに溶かし、肉の両面を強火でさっと焼き、あと弱火で数分焼けばできあがり。塩・胡椒で味を調える。それを薄く切って皿に盛りつけ食べるのだそうだ。味が楽しみだ。
サウナに入る(室温110℃)。
家内に同行しスキー管理棟へ行く。マリヤが教えてくれた通り洗濯機を操作する。その後独りで散歩に出る。
先ず湖面を東に向かい岸の近くで右折、南へ進路を変え歩く。ふと北海道で吹雪に会い犠牲者が出たことを思い出した。広い湖面でもし地吹雪が起これば、方向感覚を失い遭難する危険性が高い。天候には要注意だ。
15時ころ部屋に戻り、朝スーパーで買ってきた塩入ナッツをつまみに缶ビールを飲む。銘柄はカルフ(Karhu)で、スーパーの店員が胸を張って勧めてくれた地ビールだ。日本のキリン並みの味である。
夕食:トナカイのステーキにジャガイモ、ニンジン、ルッコラを添える。肉は脂肪が少なくさっぱりしている。味の方は期待したほどではなかった。
食後仮眠
20:00ころ湖面へ出て、オーロラの有無を確かめる。北の空は雲に覆われ、たとえオーロラが出ていたにしても見ることは不可能だ。外気温マイナス18℃。
2〜3コマ試し撮りをする。雲の薄いところが少々青みがかっている。ひょっとしたらオーロラかもしれぬ。一旦コテージに戻り、撮影態勢を整え再び湖面へ出る。後は本格的なオーロラの活動を待つのみ。
22:00過ぎから、オーロラの動きがはっきりしてきた。
日付が変わり1:00ころ店じまいのつもりで、カメラにビニール袋をかぶせ、屋内に格納する。ウィスキーの湯割りで冷え切った体を温める。そこへ家内からの新情報が入る。天頂付近でオーロラが渦巻いているという。もう一度カメラを用意し、コロナの瞬間を取るべく外へ飛び出す。ところが、既にそれは終わった後であった。もうあと10分も外で頑張っておれば、と悔やむことしきり。
22時過ぎに現れた一連のオーロラ
1:47ころ(M撮影)
1:53ころ
地ビール「カルフ」
続 く
250411