フィンランド・オーロラ見物日記

その8

杉浦 久也 さん

320日(火)快晴 900 マイナス13.5/1515 マイナス7.2/1710 10.6/2315 マイナス11.5℃ 小雪ちらつく

 近頃昼間は快晴だが、夜になると雲が出る。困ったサイクルだ。

 朝食:定番野菜スープ、目玉焼き、サラダ、トースト、コーヒー、牛乳

 仮眠

 1200〜スーパーへ買い出しに。

 1300 近道作り。いざオーロラ出現となると少しでも近道をしたい。われわれのコテージ横に高い雪山がある。除雪で集められた雪だ。その裾の部分を通ると湖畔への距離が数十メートル短縮される。そこで私がスコップを持ち出し、近道づくりの勤労奉仕と相成った。柔らかいところを踏み固めるのだが、さらさらの雪でなかなか固まらない。家内の注文で階段をつけた。しばらくすると他の人々も通り始め、いつの間にか立派な通路になった。

        

               近道作りをする筆者

13451515 孫を連れて散歩。湖面を横断し、東岸の林の中で左折、丘の上にあるCafeに立ち寄る。大きな建物で、レスト
ランのほかにダンスホールもある。夜楽団の生演奏でスキーヤーらが踊るのだそうだ。ぜひ来るように従業員のおじさんに誘われたが、あいにく私は踊れない。お断りした。


Cafeから左折し湖岸を半周し、再び湖面に入りスキートラックを辿りながらコテージに戻る。

 仮眠



                   歩道に撒かれた滑り止めの砂

 夕食:パスタ(スパゲティ+ニンニク+サラミ+マッシュルーム)、カレーの残り、鮭の燻製、ほか

 2030ころ、家内がオーロラが出たと言う。湖岸まで行って見たがどうもその気配なし。そのうちに星空の面積がみるみる狭まり、ついに星ひとつ見えなくなってしまった。すごすごコテージへ引き返す。夜中に戸外へ出て見ると、顔に粉雪がかかった。まさに天気予報通りになった。

 日付が変わり300ころ、それまで身に着けていた防寒着を脱ぎ就寝。

 400ころ、家内の叫び声で目を覚ます。「見るだけでいいから、すぐ来なさい!」ところが、防寒着をまとっている数分間にオーロラ爆発は終わっていた。数分が勝負だった。家内もわれわれを呼びに来たためにシャッターチャンスを逸してしまい、悔しがることしきり。


                   (M撮影)403





                             爆発後の名残り(41113

 夜明けの空は青く、その中にオーロラが白っぽく漂う。つまらない数コマを撮った後、部屋に戻り、  仮眠。

 

321日(木)晴、薄曇り 835 マイナス10/1030 マイナス5/1715 マイナス6.3/2130 11.8

 朝食:トマト味スープ、スパゲティ少々、目玉焼き、サラミ、野菜サラダ、コーヒー、牛乳

 900サウナに入る。

 1020沙弥と散歩に出る。道路わきの温度表示板がマイナス5℃を示している。温かくなったものだ。先日のマイナス35℃が信じられない。

 沙弥は子供と犬が大好きだ。すぐ近づいて一緒に遊ぶ。フィンランドの子供たちはまことに元気だ。雪山から滑り降りるのはもちろん、地面を横になってどこまでも転がって行く。





                         近所の子供と遊ぶ沙弥



                          転げまわる子供

 今日は大通りを南に向かい、アカスホテリ・ラップランドホテルズに立ち寄る。フロントで、23日のチェックインの件を確かめる。女性従業員がはきはき応対する。ヴェーサから電話で依頼があったので、スタッフになるべく早く部屋の準備をするように
言ってある、との返事だった。


             

                      孫とスキーを楽しむ現地の人

 大通りを離れ、東進する。やがて道が大きく左にカーブし、湖畔と並行して深い森の中を進む。やがて、スキーヤーたちが滑走する姿が見えてきた。スキートラックに入り、湖面に向け歩く。途中で、ある年配のスキーヤーから「ここは歩行者禁止だ!」と注意された。歩行者は一体どこを歩けばいいのか。差別待遇だ。

 湖面へ出て西進。12:15頃コテージに戻る。

 軽食:カレー+パン、チーズ+パン、牛乳

 仮眠

 夕方、孫と買い物。トナカイの肉など調達。ついで赤ワイン、スコッチウィスキーなど仕入れる。

 夕食:鶏骨付きもも肉のテリヤキ+ジャガイモ、サラダ、赤ワイン、ビール、など、美味。

 夕方、雪が舞い始める。それでも、西の空に月が輝き、星も見える。ところが時間の経過と共に雲が押し寄せ、全天を覆い尽くす。

 2228北の空を目指して試し撮りをする。かすかにオーロラらしい青白色が感じ取れるが、悲しいかな雲の裏側だ。午前3時過ぎまで期待を持ち続けたが、雲はますます厚くなる一方だ。防寒ズボンを脱ぎベッドにもぐりこみ、熟睡。


                                                        続 く

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