第19回
歴史・文化探訪の会
ご報告
田原城跡と渡辺崋山ゆかりの地等
去る平成25年11月16日(土)に実施した第19回探訪会「田原城跡と渡辺崋山ゆかりの地等」について報告
します。
電車の遅れで定刻から少し遅れたが、午前10時15分頃豊橋鉄道田原駅に10名が集合し、日程等確認後、
小春日和の中探訪会を開始した。まずタクシーに分乗し田原城跡に向かう。城内の田原市博物館に入館し、
ビデオの視聴等しながら地元ガイドを待つ。間もなく「ふるさとボランティアガイド たはらの風」の林和彦さん等
4名と合流、博物館内を説明を受けながら見学した。
崋山の展示室には渡辺崋山の多彩な一生の紹介(生い立ち、藩士として、学者として、画家として、外
国事情の研究、蛮社の獄、崋山の最期等)がしてあった。貧しさから幼い弟妹が奉公に出されたこと、立
志のきっかけになった12歳の時の日本橋の暴辱の像、39歳で家老となり藩政を改革し、なかでも「報民倉
」を建設し天保7,8年の大飢饉に一人の餓死者も出さなかったこと(田原藩が唯一幕府から表彰受ける)
、生涯を終える直前に大書した「不忠不孝渡邉登」の掛け軸が印象的であった。別室では渥美窯の特別展
があり、国宝の秋草文壺などを見学した。
博物館を後に崋山神社を通り、徒歩10分程で池ノ原公園に着く。公園内の会館で休憩しお菓子と抹茶を
味わう。その後すぐ裏手に移動し、復元された崋山幽居の家や崋山銅像などを見学した。ガイドから、田原
の三偉人の説明があった(渡辺崋山、村松愛蔵(自由民権運動家)、岡田虎二郎(静坐法考案者))。公
園入口に戻り、すぐ前の白亜の田原市立福祉専門学校の建物を見ながら、蔵王山をバックに記念撮影も行
った。
再び来た道を戻り、民俗資料館に立ち寄り、古い農機具や漁具などを見学した。これで午前の見学を終
わり、徒歩で昼食会場に向かった。昼食は1時間遅れとなったが、ボリュウムたっぷりの穴子天丼を味わい、し
ばし休憩後午後の見学を開始した。
まず田原まつり会館へ行き、田原まつり(江戸時代から始まる)に使う山車、花火、大凧などを見学し
た。まつり会館を後に、折れ曲がる道を寺下通り方面に向かった。すぐ龍泉寺に着き、山門近くの芭蕉句
碑「寿久三行くや馬上に氷る影ぼうし」(芭蕉愛弟子の杜国を訪ね伊良湖に向かう途中で詠んだという)
を見学した。さらに同寺境内の鈴木春山(江戸末期の藩医)と春山の母園女の墓を参拝した。その後龍泉
寺山門を下り、最後の見学地、崋山と一族の墓所のある城宝寺へ向かう。山門を入ったすぐ右手にある古
墳(6世紀後半築造円墳、県指定史跡)を見学、その上に建つ辨財尊天(弘法大師作か)を祀るお堂を見て
本堂へ向かう。本堂奥の崋山霊牌堂を参拝し天井画も鑑賞した。本堂を出て崋山の墓所へ向かう。墓所立
札横の崋山の句碑「見よや春大地も享す地虫さへ」が印象的であった。墓所を参拝し探訪会を終了した。
2014.1.22
清 水 國 光 さんよりお寄せ頂きました。