一昨日の午後Chuck夫妻の居間へ遊びに行く。雑談をしている間に、銃のことが話題になった。前々回の「アラスカ通信」で、銃の売買、所持が気軽に行われているようなことを書いたが、今日はその実例を体験することとなった。
Chuckが突然「銃を見せてやろうか」と言って中二階にある自分の仕事部屋から、銀光する拳銃を持ってきた。あの西部劇に出てくるのとそっくりの奴だ。弾倉のシリンダーを押し出し、装填されていた弾6発を無造作に出した。弾の先が平らになっている。これは殺傷能力を高めるためだそうだ。
Smith & Wesson回転式6連発拳銃
久也のアラスカ通信
昔Chuck自身が仕留めたマウンテンシープ
アメリカ人、とりわけアメリカ人男性にとっては、銃に強い魅力があるらしい。話をするうちに、Chuckが全米ライフル協会(National Rifle Association 略してNRA)の終身会員であることが分かった。NRAといえば強大な政治力を駆使して、銃規制の法案が出されるたびに廃案にしたり、骨抜きにしたりしてきた。多数の児童生徒が発砲事件で死傷する事件が起きるたびに、銃の売買・保持を規制しようとの世論が沸き起こるのだが、結局うやむやになってしまう。その繰り返しが今も続いている。NRAはその元凶ともいえる。この温厚なChuckがNRAの終身会員だというのだ。もっとも、最近はNRAの方針に必ずしも賛成でなく、同協会から頻繁に送られてくるメールも読むことなく、パソコンの「ゴミ箱」へ放り込んでいるそうだ。
ここでお詫びして訂正しなければならないことがある。前々回「ここでは銃規制など話題にもならない」と書いてしまったが、Chuckが言うにはアラスカでも銃規制の問題が、今や政治的争点の一つになっているとのことである。
その8 おわり
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その8
杉浦 久也 さん