3月5日(木) 成田晴れ/コペンハーゲン/オスロ曇り/トロムソ曇り
搭乗機(成田空港で)
12:00搭乗開始。スカンジナビア航空(SAS)は今回初めて利用したが、サービスの悪さに驚く。他の航空会社では、食前のアルコール飲料が供されるのが普通だが、SASのエコノミークラスではアルコール飲料は全て有料で、しかも値が高い。食事についても、他の会社では事前に印刷されたメニューを配り、2種類くらいの料理の中から好みのものを注文できるのだが、SASではメニューの配布もなく、料理は1種類のみ、選択の余地なし。見事なまでの合理化である。もっとも航空会社の果たすべき任務の第一は旅客の安全な輸送にあるわけで、飲食のサービスなどは二の次三の次と言える。SASの広告文句にこんなのがある。「世界で二番目に時間の正確な航空会社」と誇らしく言っている。お手並み拝見と行こう。
ほぼ定刻12:40成田空港出発。いよいよトロムソ21日間の旅が始まる。
[トロムソの位置]
座 標: 北緯69度40分58秒 東経18度56分34秒
(座標 をクリックすると 各種資料が示されます。)
トロムソはノルウェーの小都市で北極圏の遥か北に位置している。海流の関係で緯度の割には温暖な気候に恵まれている。オーロラの観測の好適地とされていて、今回われわれ老夫婦がこの地を選んだ理由である。
機は本州を縦断し北海道を経てロシア領へ入る。シベリア上空を西進し、フィンランド、スエーデンを通過しコペンハーゲンまで8500キロ11時間の長旅だ。
ロシア上空から
時間の大半を映画The Imitation Gameを見て過ごす。第二次大戦中、ドイツ軍の使用する暗号エニグマの解読機作成に奮闘する若きイギリス人数学者Allan
Turinを中心とする学者・技師グループを描いた作品である。あまりの面白さに魅せられて4回も観てしまった。
予定時刻より20分早く現地時間15:45コペンハーゲン空港に着陸。この空港で気に入った点が2つある。一つは、広大なターミナルの木の床である。温もりを感じる。もう一つは、軽やかなデザインの小さなカートだ。これは機内持ち込みの荷物を載せたりして、構内を移動するのにまことに便利である。
待ち時間を利用して、Wi-Fi接続を試みたところ、うまくできず諦めた。
SK462便オスロ行が定刻離陸。約1時間の飛行の後19:20オスロに到着。外はすっかり暗くなっていた。一旦荷物を受け取り、再度チェックイン。
オスロ発トロムソ行SK4438便は定刻をかなり遅れ22:25になってようやく離陸。一路北上する。
日付が変わり3月6日午前零時過ぎ、最終目的地トロムソに着く。成田を出てからほぼ24時間かかったわけだ。
荷物がなかなか出てこず、1時過ぎになってタクシー乗り場に行く。結局われわれ二人が最後になってしまい、空港で客待ちしていたタクシーも全て出払ってしまった。心細くなってきた。遠くからタクシーが一台やってくるのを見てホッとする。白髪を長く伸ばした運転手だ。英語はあまり得意ではないらしい。黙ったまま海岸沿いの道を南下する。30分ほどで、Sydspissen Hotell(現地の綴りでhotelの語尾のlが2つ)に着く。約30分走って250クローネ支払う。現在のレートで1クローネが17.5円である。
相撲のように大柄な娘さんが徹夜の受付をしていた。愛想よく応対し、すぐ部屋に入れてくれた。南向きの部屋で、窓越しに雪の積もった雑木林があり、その先は入江になっている。雲が厚く、オーロラは望み薄だ。
就寝
3月6日(金) トロムソ曇り、時々小雨、時々陽も射す、
目まぐるしく変化する天気/2℃
3週間お世話になるSydspissen Hotell
ホテル裏の景観
8時すぎ朝食。典型的なコンチネンタル朝食で、小生の大好物だ。固く焼いたパン、チーズ、サラミソーセージ、各種ハム、ジャム、果物、シリアル、等々。食べすぎに注意しなければならぬ。
一休みしたあと、近所のスーパーマーケット(Coop Extra)を訪れる。途中道路が凍結しており、おっかなびっくりで歩く。
近所のスーパーマーケット
現地の物価はかなり割高だ。まず空港で500mmlのミネラルウォーターを買ったが、25クローネ約(438円)もした。
ちなみにスーパーで買ったものの値段を示すと次のようになる。
バナナ 23.90 kr/kg 22.51 kr
缶ビール (Mack Pilsnerol) 1ダースパック 249.60 kr
マヨネーズ(175g) 17.00 kr
缶ビール (Norlands Pils *2缶) 46.80 kr
ミニトマト(500 gr) 26.90 kr
メロン入りヨーグルト12.20 kr
昼食:朝食の残りで作ったサンドウィッチ(サラミ+チーズ入り)、ビール、まことに美味
午睡 熟睡したらしく、目を覚ますと外は薄暗かった。一瞬夜明けかと錯覚した。
顔を洗い、日記の整理をする。
家内が例によって文句を言い出す。現在の南向きの部屋から北向きの部屋に替えるように、掛け合って来い、という。フロントのAndreas君に話すとすぐOKを出してくれた。ところがしばらくすると、結局元の部屋がよいと家内が前言を翻す。Andreasに事情を説明する。ニコニコしてOK。 こちらはツァーの添乗員並みの忙しさだ。
21:30ころ西の空にオーロラを見つける。雲の間にオーロラ特有の薄緑色の光が見える。窓越しにカメラで試し撮りをして確かめる。
早速三脚と担いで外へ出る。足元が危ない。昼間の雪解け水が凍結して、ツルツルだ。建物の裏手へ出てカメラを設置する。なにしろほとんど全天が雲に覆われ、わずかな隙間から見えるオーロラを懸命に撮る。我ながら哀れな姿だ。
雲の隙間から見えたオーロラ
22時ころ撮影を打ち切り部屋に戻る。
「その1」終わり