極北トロムソ旅日記


            その6    杉 浦  久 也  さん

3月11日(水)晴れ、にわか雪、曇り、1

久しぶりに陽光射す。ところが昼過ぎから雲行きが怪しくなり、にわか雪となった。ひどい降りだ。地元の人は雪の中を犬と散歩している。立派なものだ。


             13:00ころ、にわか雪降る

昨日突如として食堂が閉鎖になった件、その経緯がよくわからなかったから今朝もう一度フロントのAngelitaに訊ねてみた。彼女の説明ではこうである。昨日軍から食事時間以外は食堂を閉鎖せよ、と一方的に指示があった。しかしホテル側では、この指示以前にチェックインした宿泊客は、コーヒー等のセルフサービスは含まれる条件のもとで、宿泊契約したもので、その条件を変えられないと軍に抗議したが、受け入れられなかった。やむを得ず次善の策として、地下室へコーヒー等のセルフサービスの機材を設置し、曲がりなりにも宿泊客の便を図っているところだ。これがAngelitaの説明だった。


            突然現れた食堂閉鎖の張り紙

「ご注意 食事時間以外は食堂を閉鎖します。くわしくはフロントにお尋ねください。ご理解をお願いします。」

久しぶりにNHKの日本語によるニュースを聴く。BBCがテレビで東京大空襲の追悼法要の様子を放送していた。国際放送の分野ではNHKの劣勢は明白である。質・量ともに改善の必要がある。

午睡

夕方宵の明星がみえていた雲の切れ目も完全にふさがり、オーロラの見える可能性ゼロ。今後オーロラ追っかけツアーに参加するか、家内と協議を始める。この種のツアーには、一人あたり1000クローネ(17500円)の料金がかかる。しかも必ずオーロラが見える保証はない。さあ、どうするか。

家内が、こんなに物価の高い国だから、国民所得も高いでしょうね、と言う。

さっそく、フロントの新顔の若者に訊きに行く。彼の名はAgvan Darkhanovと言いロシア系移民だそうだ。容貌はアジア系の感じである。現在大学院で経済学を学んでいる、とのこと。

国民一人あたりの所得を尋ねると、米ドルで約年間50000ドルくらいだ、と答えた。日本人が平均36000ドル位だから、それに比べると桁違いにノルウェー人の方が裕福だ。インターネットで確かめてみると、WHOの発表した2014年の統計ではノルウェーは66960ドルで世界第1位、日本は36300ドルで世界第17位とある。彼らの足元にも及ばない。


今日のノルウェー関連ニュース3件(The Nowegian Post電子版2015311日付け)

1)西ノルウェーで、大型巡航客船用のトンネル建設計画

     
         
西ノルウェーのスタッド半島では大型巡航客船が安全に山を通り抜けられるよう専用トンネルを建設する計画がある。

建設プロジェクト責任者オッタール・ニゴールドは「とにかくこのトンネルは桁違いです。一般の人が、この規模を理解するのはむずかしいと思います」と言っている。

このトンネル建設の目的は、客船や貨客船が荒れるシュタッドハヴェト海を避けて、一層安全な航海ができるようにすることである。もう一つ観光客にとっての魅力は、この種のトンネルとしては世界で一つしかないことだ。最初このトンネル建設に当たり、非現実的で費用がかかりすぎることが懸念されたが、すでにこの事業に数百万クローネの資金が集まっている。しかも今後さらに多くの資金が集まる公算が強い。

2016年には政治家らに完全な事業計画を提示し建設決定を仰ぐことになろう。そして2018年には着工の運びとなる」と建設計画統括責任者ランディ・フンボルシュタッドが語った。

この船舶専用トンネルの建設には3〜4年かかり、総工費は約20億クローネとなる。「この種のトンネル建設の方が一般の道路トンネル建設より安上がりだ」とニゴールドは言っている。

シュタッドハヴェト海を通過する船舶の84%がこのトンネルを使うことになろう。それがこの建設計画に対する政治的に支持される要因である。

2)ノルウェーの人口500万を超す

      

ノルウェーの人口が2015年1月1日5165800人に達した。ノルウェー統計局によれば、うち9.9%つまり512000人が外国籍である。

外国籍で最大グループは依然としてポーランド人で93600人である。次がスウェーデン人、リトアニア人でそれぞれ45100人、39500人である。

ノルウェーで女性より男性の数が初めて多くなったのは2010年であった。この傾向は続くように思われる。2015年1月1日現在、男性の方が31800人多い。

2014年の人口増は56700人で,全ての郡の人口が増加した。人口増の最も多かったのはオスロで、2014年に13200人の住民が増えた。

1月1日の時点で全人口に占める20歳から66歳の年齢層の割合は61.6%、67歳から79歳が9.7%であった。最も高齢の80歳以上の人口比は4.3%であった。80歳以上の占める割合が最も高かったのはヘッドマルクで、最も低かったのはオスロであった。

3)ノルウェー人は日曜日の買い物が嫌い

                


日曜日に店の開業を可能にする法律をつくろうと政府が考えているが、大多数のノルウェー国民は依然として反対のようだ

最近の調査では、回答者の62%が一年中を通して店の日曜日開店に反対である。政府提案に賛成は34%に過ぎない。この調査は、クラッセカンペン紙が行ったものである。


                              「その6」終わり