中日俳壇 2月8日(日)に長谷川久々子選で太田康直さんの句が3席で掲載されました。
〔選者評〕
「『突然皮膚が裂けて、鋭利な鎌で切ったような切り傷ができる現象』と辞書にある鎌鼬。冬の季語。父
母に受けた身体髪膚の、不可解な傷への戸惑い。」
「作者の自解」
選者の評に若干付け足すと、「身体髪膚これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」の文言
にある通り、切り刻んだり傷つけたりしないのが本筋。それなのに古くは痛い思いをこらえて刺青を彫り
つけたり、近くは整形手術で顔面、乳房、お尻、果ては脚まで切り刻む美形願望が横行している現実へ
の風刺の気持ちも受け取ってほしいと思います。
270211