イエローナイフ旅日記  (5)

杉浦 久也  さん
3/19(日) 粉雪降る、後晴れ、マイナス16


8:30起床

9:00朝食 Bagelなにやらという料理。ドーナッツ型の固パンを輪切りにし、それぞれにいつもの目玉焼きを乗せ、フライドポテトを添えたものだ。

仮眠

14時ころ昼飯。「サトウのご飯」にかに玉丼の素美をかけ食す。美味。

16時ころ、ロケハンに出かける。途中橋の下をくぐるところがあるが、「氷薄につき危険」の大きな看板が立ててある。車や人の通った跡があり、我々も橋の下をくぐったが何事もなかった。邪魔な光もなさそうだし、湖上に夜の撮影場所を決めて帰る。


 

                   「薄氷につい危険」の立て看板


夕食:バゲット+マヨネーズ(日本のものよりコクがあり、濃厚な感じ)を塗り、缶ビールを飲みながら食す。美味。

仮眠

22時過ぎまで部屋の中から東の空を眺めて、オーロラの出現を待つ。インターネット上で見る今日のオーロラ楕円は緑色でしかも細い。あまり活発な活動は期待できない。

23時まで経っても兆候なし。しびれを切らし、家内と機材を持って昼間調べた地点へ移動し、東の空に目を凝らす。午前0時まで粘るが、オーロラ現れず。仕方なく一旦部屋にもどり装備を解き休息。

ところが間もなく日320日午前030分ころ、家内が窓越しに小型カメラで東の空を試し撮りする。画面を見るや「大変だ!こんなことをしている時じゃない!」と叫び大急ぎで準備をするが早いか、戸外へ飛び出していった。私も慌てて防寒具を身にまとい、三脚を担いで外へ出る。上空ではすでにオーロラが激しい動きをしていた。あの弱弱しいオーロラ楕円からは想像できない活動規模だ。午後予定した撮影場所まで行く余裕はない。キャビンから数メートル出たところで三脚を立てる。ところが新雪が深く三脚が安定しない。半ば当てずっぽうにシャッターを押す。近所の光に邪魔されて、露出がオーバーになってしまう。


    

      


 


一方今夜の寒さは尋常でない。戸外の温度計はマイナス33℃を示している。指先の感覚がなくなり、レリースボタンを押すのも不自由になる。体の方は、先回の震えに懲りて、2枚余分に着込んだため、なんとか過ごすことができた。

まだオーロラが空で渦巻いていたが、寒さに負けて店じまいにする


                                                つづく


                                                 170323