中日俳壇一席入選             林 建生 さん


     亡き父のちやんちやんこ着て父の椅子                         長谷川久々子氏選

             【評】父の遺した綿入れを着て、そぞろ冷え込んできた季節を遣り過ごす。更に父の遺品の腰掛けに座るその感懐は、
                沁み沁みと懐かしいものであろう。二つの形見の語る命の理(ことわり)。是非も無い現実を詠う。


                                          中日新聞 2021年(令和3年)12月5日(日曜日)掲載