4月3日(土)
所属する会の同期会の仲間20人で鈴鹿山系北端の霊仙山に山行する。
今回の山行は、いくつかの同期会の会員が合同で参加し、マイクロバスをチャーターして行う。
高気圧が張り出し、絶好の山行日和が予想される天候である。
先週の下見で、フクジュソウも多く咲いていることが予想され、皆期待が膨らむ。
朝7時に名古屋を出て、名神の彦根ICから、多賀大社手前で左に折れ、「河内の風穴」を経て、狭い林道を走り、最奥の今は廃村化している落合部落でUターンし、8時半ごろ今畑登山口前で下山する。
既に多くの車が駐車しており、人気の高さがうかがわれる。
準備をして9時登山口を出発し、しばらくの登りで尾根に出て、1時間ほど緩やかに登り笹峠少し上で休憩する。
ここからは標高差300mの急登が待っている。
すべりやすい道に注意し、足元に咲く白く小さなミスミソウの花に心を癒されながらの急登が続く。
山頂近くになる頃から、頭上には黒い雪雲が琵琶湖方面から流れてきて、天候が急変し始める。
1時間弱の登りでやっと近江展望台に出る。
展望台に着く頃から雪も降り始め、10mを越す強風に、体感温度はとても寒く感じる。
春山の天候急変の怖さを実感する。
強風の中を防寒着を着て、石灰岩がゴツゴツする歩きにくい尾根道を北上する。
ぼちぼちとフクジュソウが足元に姿を現わし始める。
白い霧の中に浮かぶ黄色い透きとおるような大きな花弁をいっぱいに広げた姿が可憐である。
先週の下見に来た時よりも多く開花しており、最盛期のようである。
石灰岩の白とフクジュソウの黄色が霧の中に幻想的に浮かび上がっている。
雪をかぶって寒さに震えながらも懸命に咲く姿に心を打たれる。
霧の中でフクジュソウと美を競うお姉さまたち
南霊岳を通り、強風に向かいながらやっと12時半前に霊仙山最高点に到着する。
山頂は強風で立っていられないほどであり、早々に退散する。
少し下った風の当たらない雪田の前で昼食を摂る。
昼食後、雪田を横切り山頂を目指す。
13時過ぎやっと三角点のある霊仙山山頂に到着である。
この頃より霧がやや切れ始める。
風邪はますます強くなる中、記念写真を撮って下山にかかる。
北霊仙(経塚山)を経て、ぬかるんだ道に足をとられながら、琵琶湖の原型をしているといわれるお虎ヶ池を通過する。
緩やかに起伏するカルスト地形の台地を歩き、お猿岩から本格的な下山にかかる。
15時前に醒ヶ井からの道を合わせる汗ふき峠に到着する。
我々は、ここから左の大洞谷に下り、30分ほど歩いて落合部落に15時半到着する。
ドロドロになった靴を川で洗い、バスの待つ「河内風穴」まで林道を歩いて、16時半全員無事下山する。
帰りに琵琶湖湖畔の温泉で一日の汗を流し、名神を走って19時過ぎに名古屋へ帰ってくる。
今日の山行は、参加した皆がフクジュソウを見るのを楽しみにした山行であったが、ちょうど花の最盛期に出会えて、霊仙山のフクジュソウ群落の素晴らしさに感動ひとしおであった。
ただ、年々フクジュソウを見に来る登山者が多くなっているように思われ、中には群落のすぐ近くまで入って写真を撮っている人も見受けられる。
貴重な群落であるので、何とか登山者のマナーの向上を願うと同時に、ぼちぼち保護も考えて行かなければならない時期に来ているように感じられる。
また、今回の山行では、春山の天候の急変の怖さにも出会い、いい体験ができた。
同期会の気の合う仲間との楽しい山行ができた一日であった。
山遊人