早春の光輝く上高地

2月22日(火)

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以前から一度訪れてみたいと思っていた北アルプスの冬の
「上高地」へ山仲間と一緒にスノーハイクに出かける。
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               (トンネルの中はGPSの電波が届い
ていない)


移動性高気圧が張り出し、絶好の晴天が期待される天気であ
る。
朝5時前に名古屋を出発し、東海北陸道を走り、高山を経て
平湯のバスターミナル前駐車場に8時前に着く。
このところの暖かさのため、途中の道路には雪はまったくない。
冬の上高地の登山口である中の湯の釜トンネル入り口までタクシーで
10分ほどで行く。
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学生時代は、今のトンネルでなく古い釜トンネルであり、真っ暗で氷が
張って滑りやすいトンネルの中を歩き、松本側の玄関口である沢渡から
一日がかりで冬の上高地には入った思い出が蘇ってくる。
数年前に新しいトンネルが出来、最近では冬の上高地にもス
ノーシューハイクを楽しむ人やカメラマンが結構入っているよう
である。
以前はついていたトンネル内の電灯が、最近は装備も持たず
安易に入り込む観光客がいるため消されたようである。
登山届を出し、ヘッドランプを点け、準備をして8時過ぎゲート
横からトンネルに入る。
さすがにまだ寒く、耳や手が冷たい。
−10℃ぐらいはいってそうである。
新しいトンネル内も結構勾配がきつく、抜けるのに30分近くか
かる。 トンネルを出るとすぐに積雪があるも、工事用の車の
ためか除雪がされている林道をしばらく歩く。
30分ほど歩いてカーブを曲がると、正面に真っ白に雪を付けた
穂高連峰が突然目の前に飛び込んでくる。
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左手下には氷が張り、モヤに煙る大正池が湖面に穂高連峰を
映している。
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大正池ホテル横から湖畔に下りると、5人くらいの先客パーティ
がいる。 湖面にはまだ日が完全にはささない中、岳沢を正面に
して穂高の峰々だけが朝日に輝いている。
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振り向けば焼岳が大きくそびえている。
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道はほとんどトレースがついており、雪もしまっているので靴の
ままででも歩けるが、せっかっく持ってきたのでここでスノー
シューを着ける。 夏ならば木道となっている自然研究路の雪
の上を田代池に向けてのんびりと歩く。
田代池手前の真っ白に雪が積もった湿原から、一点の雲も
ない真っ青な空のもと穂高連峰を仰ぎ見る。
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すぐ横の田代池のあたりは、まだ気温が低いため木々に一面
の霧氷がついて幻想的な風景である。
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有名な写真スポットででは、湖面から水蒸気が立ちのぼり、
まるで墨絵のような風景である。
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この霧氷も日が上り、温度が暖かくなればすぐに溶けてしまうの
であろう。 田代橋に出ると、梓川の向こうにさらに近くなった
穂高連峰が見える。
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東には霞沢岳の鋭い岩峰が望まれる。
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どこでも歩けそうな広くなった河原を梓川沿いに河童橋まで歩を
進める。
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11時少し前河童橋に到着する。
橋上から振り仰ぐ穂高の峰々は、いつ見ても凛として聳えている。
正面の岳沢を駆け下りてきた昨夏の記憶が蘇る。
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後には焼岳をバックに梓川が清冽な流れを作っている。
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穂高を仰ぎ見ながら河畔のベンチでゆっくりと昼食を摂る。
休んでいる間に2組ほどのパーティがやってくる。
風も全くなく手袋もいらないほどの暖かさである。
1時間近く休んだん後、来た道とは反対側の梓川左岸の道を歩いて帝国
ホテル前まで行く。
途中奥穂高岳上空に遭難救助用のヘリコプターがホバリングしているの
が見える。
また、だれか事故に遭い遭難したのだろうか?
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赤い屋根の特徴的な建物の帝国ホテルも今は雪の中でひっそりとして春
の訪れを待っている。
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林道を歩いて再び大正池の河原まで下りる。
時間があるのでここの雪原で最後の穂高連峰を眺めてゆったりとしている
と、油断したすきに飛んできたカラスにお菓子の袋をさらわれてしまう。
河童橋のところでも他のパーティーの女性の方が食べ物を持っていかれ
ていたが、こんな寒い所でもカラスたちはたくましく生きているようである。
立ち枯れの木が年々少なくなり、今では池とは言えないような大正池の
風景である。
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また林道に戻り帰途につくも、途中左側の山腹からの雪崩の跡が目につく。
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林道上から眺めると、氷が解け、湖面に面白い模様を作っている。
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午後2時過ぎ、釜トンネルに戻る。
もう少し雪が多いと雪崩が怖そうなところである。
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また、ランプを点けてトンネル内を歩き、午後2時半過ぎ中の湯のトンネル
入り口に戻る。
朝乗ったタクシーが待っており、それに乗って平湯に午後3時前に戻ってくる。
すぐ近くの温泉に入り、午後4時過ぎ平湯を出て、午後6時過ぎ名古屋に
帰着する。


今回は素晴らしい天気に恵まれ、早春の光あふれる上高地を存分に楽しむ
ことができた。
平日だったこともあり、行き交う人も少なく、静寂の中に春の訪れをじっと
待っている上高地の風景に大満足できた山行であった。

                                山遊人