名残の残雪の木曽駒ヶ岳 



5月29日(土)

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今年最後の残雪の春山を楽しもうと、山仲間と中央アルプスの木曽駒ヶ岳へ
山行する。
天候は、曇りベースの予想である。

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朝5時前に出発して中央道を走り、駒ヶ根ICを出て、菅の台バスセンター駐車場に
6時半過ぎに到着する。
7:12の一番のバスに乗り、しらび平から8時発のロープウェーで2600mの
千畳敷まで7分でいっきに上がる。
登山者とスキーヤーが半々である。
稜線上の雪はだいぶ溶けているが、カール内はまだまだ豊富な雪が残っている。
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アイゼンを着けるなど準備をして8時半に千畳敷カールを出発し、稜線上の
浄土乗越を目指す。
先行の方が一人で登っておられるが、アイゼンも着けておらず、下りが心配である。
途中で追い越し、徐々に傾斜が増してくる中をほぼ直登する。
上部ではキックステップをきかして喘ぎながら登り、45分かかって浄土乗越に出る。
乗越からは、眼下にロープウェー駅を望むことができる。
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しかし、すぐにガスがかかり、木曽駒方面はみることができない。
宝剣山荘横から稜線に出る。
稜線上はほとんど雪は残っていない。
振り返れば、宝剣岳の天狗岩がガスの中にぼんやりと浮かんでいる。
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緩やかに中岳に登り、一旦下って登り返し、10:10木曽駒ケ岳山頂に到着する。
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山頂ではときどきガスが切れて、周囲の山が見える。
しかし、遠くの山々は雲の中で見ることができない。
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少し早いが、誰もいない静かな山頂で昼食を食る。
30分ほどいた後下山にかかる。
その頃からだんだんと天候が回復し始めガスが切れてくる。
正面には宝剣岳が姿を現す。
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雪もあまりついていなく、アイゼンなしで登れそうなので、宝剣岳に登ることにする。
鎖の張られた岩場を慎重に通過し、20分ほどで累々と岩が積み重なる狭い山頂に到着する。
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人一人がやっと立てる狭い山頂の岩の上からの展望は抜群である。
視界がだんだんよくなり、南西には三の沢岳、南には中央アルプスの稜線の先に、
昨年登った空木岳が堂々とした雄姿を現す。
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眼下には千畳敷カールが広がり、伊那谷の駒ヶ根の街も見渡せる。
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ここの山頂も誰もいなく、しばらく展望を楽しんだ後12時に下山にかかる。
浄土乗越に戻り、再びアイゼンを着けてカールを下りは始める。
上から眺めると傾斜は相当なものである。

慎重に下っていると、突然後方から登山者が二人滑落して、ものすごいスピードで
頭を下にして雪の上を滑り落ちていく。
上から見ていると、150mぐらい下のカールの底でやっと止まり、
何とか無事立ち上がったのでホッとする。
千畳敷の登山者監視の方からも、怪我がなかったか、拡声器で問い合わせている。
滑り落ちるときに帽子などを落としていったので、拾って渡してあげる。
我々ぐらいの中高年の夫婦連れで、女性の方がスリップしたので、
止めようとして男性の方も滑落したそうである。
急斜面で一旦滑落すると、ピッケルで制動をかけても止まるものでないことを
目の当たりにする。
改めて雪上歩行の怖さを見て、我々も注意を怠らないようにしなければ
ならないと気を引き締める。

慎重に下り、午後1時前に山頂駅に下山する。
連休過ぎの休日のためか観光客はあまり多くない。
ロープウェーとバスを乗り継いで駐車場に戻り、中央道を走って、午後6時前に帰名する。


今日の山行は、今年最後の残雪期の山行ということで、最初は木曽駒ヶ岳だけの
予定であったが、宝剣岳にも登ることができ、楽しい山行であった。
それにしても、雪上の滑落の怖さを目の当たりに見て、今後自分たちも十分に
安全登山に心がけたいと、改めて思わさせられる山行であった。

   山遊人