残雪の奥大日岳

5月21日(金)〜22日(土)


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所属する山の会の研修で、立山の奥大日岳へ山行する。
雷鳥沢にテントを張っての2泊3日の研修山行である。

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5月21日(金)

今回の山行は9名の参加で、2台の車に分乗して、朝7時に名古屋を出発する。
東海北陸道から北陸道に入り、立山ICを出て、11時前にケーブル駅の立山に到着する。
ケーブル、バスと乗り継ぎ室堂へ入る。
途中の雪の大谷付近はまだ5メートル以上の雪があり、観光客が大勢歩いている。
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午後1時に室堂バスターミナルに着く。
天気は快晴で、立山が雪に輝いている。
荷物をデポして、早速浄土山へ登る準備をする。
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ターミナルの裏から、スキーヤーが滑っている白い雪原を浄土山への稜線に向けて登り始める。
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登るに連れて、室堂の雪原が眼下に広がり、その向こうには明日登る奥大日岳から大日岳がせり上がってくる。
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途中では、リーダーから雪上での歩き方等の指導を受けながら山頂を目指す。
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2時間ほどかけて、午後3時少し前に浄土山に着く。
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やや雲が広がっているが、立山方面から黒部の谷を隔てた山々もよく見える。
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下りは、尻制動をしながら下り、デポした荷物を担いで、雷鳥沢のテント場を目指す。
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久しぶりに20キロを超える荷物を担いでの1時間少しの下りで、午後5時過ぎにテント場に着く。
ここは、水場やトイレも近くにあり、快適なテントサイトである。
雪の中でのテントの設営の仕方などの指導を受け、2張りのテントを設営する。
さっそく、夕食の支度にかかり、肉と野菜の水炊きの鍋を囲んで、リーダーからいろいろ指導受ける。
就寝までの時間を、9人が一つのテントに集い、楽しい山談議に花が咲く。
テント生活の楽しみは、仲間同士が一つのテントの中でワイワイガヤガヤとやりながら親交を深めることができるところにある。
就寝前に外に出てみると、半月が立山の上にかかり、たくさんの星が頭上に瞬いている。
明日の奥大日登頂を控えて、午後10時前にはシュラフに潜り込み、就寝に就く。


5月22日(土) 

朝4時に起床する。
天気は、雲はなく晴れて山々はよく見えるが、今日一日もつか心配される天候である。
朝食を食べ、5時半過ぎ、奥大日に向けて出発する。
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前方には奥大日岳の山頂が朝日を受けて輝いている。
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称名川を渡り、室堂乗越で稜線に出る。
乗越からは剣岳が頭を見せ始める。
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行く手には真っ白なピークが迫ってくる。
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奥大日への稜線を西に行き、2511mピーク手前で小休止する。
室堂方面が眼下に見えている。
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途中のハイマツ帯には夏毛に生え替わろうとするつがいの雷鳥が顔を現す。
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右手の稜線上は雪庇が張り出して危険なので、称名川へ落ち込んでいる左手の急な斜面を慎重にキックステップをしながら山頂を目指す。
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山頂近くから見る雪庇の張り出しは大きく、あの上に立てば非常に危険であることを実感する。
もう少し経てば崩れ落ちるのであろう。
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午前9時前やっと奥大日岳山頂に到着する。
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山頂からは剣岳が大きく立派な容姿で眼前に迫って見える。
岩の殿堂にふさわしく急峻なため雪があまり着いていない。
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薬師岳や遠く笠ヶ岳や槍ヶ岳も望むことができる。 
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しばらく展望を楽しんだ後下山にかかり、尻制動をしながら新室堂乗越を経て、11時半前にテントサイトに下山する。
この頃から雲が多くなり、天候が悪化する兆しがみえ始める。
協議の結果、リーダーの判断で、一日予定を早め今日中に下山することにする。
すぐにテントを撤収し、荷物を担いで室堂へと登り返す。
登ってきた背後の奥大日岳が懐かしい。
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途中のみくりが池は、少し水面がでているが、まだ深い雪の下である。
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午後2時過ぎ大勢の観光客でにぎわう室堂バスターミナルへ着く。
バスとケーブルを乗り継ぎ、午後3時半ごろ立山に下山し、途中の温泉で汗を流し、午後9時に無事帰名する。


今回の研修山行は、春の雪山でのテント生活を体験し、雪上歩行の仕方や雪上技術の習得を目的としたものであった。
3日目が雨の予想で、一日早く下山したが、最初の2日間は天候にも恵まれ、リーダー、サブリーダーの的確な指導で、大変得るところが多い山行であった。
私にとっては、特に稜線上で雪庇を避けてのルートの取り方、急斜面をキックステップをしながらの登行技術など大変勉強になった。
幸い一人の落後者もなく無事下山でき、参加者全員満足した山行であった。
改めて、この場を借りて指導してくださったリーダー、サブリーダーに感謝申し上げたい。

                                    山遊人


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