初稿は、「谷川や桃が流れて来る気配」でした。

でもこれだと非現実感が薄いと思って、校正の結果が

入選句です。

老境という曖昧模糊たる語を入れることにより、遥かな山

峡がより非現実味を帯び、「お爺さんは山へ柴刈りに、

お婆さんは川へ洗濯に」という昔話にイメージでつな

がっていくんじゃないかと思ったわけです。

　後は読者がイメージを膨らませていってくだされば、

幸甚に存じます。



　　　　　　　　　　　　濱嶋　 眞さんからお寄せいただきました。


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