我々の銀河系の中心にある巨大ブラックホールから、星の材料となるガス状の物質(分子ガス)が数百万年前に噴出した「宇宙ジェット」とみられる巨大な柱が延びているのを名古屋大の福井康雄教授(電波天文学)らが世界で初めて発見した。
京都市で開かれている日本天文学会で22日発表する。星形成時やブラックホールに星物質が吸い込まれる時などに発生する宇宙ジェットが銀河系の中心部で観測されたことで、福井教授は「中心部はあまり活動していないという定説を覆す発見。銀河系の成り立ちの解明につながる」と話す。
研究チームは南米チリの高地に設置した電波望遠鏡「なんてん2」で、銀河系中心にある巨大ブラックホール「いて座A*(スター)」から、長さ約400光年にわたって延びる分子ガスの柱を発見した。