振り込め詐欺電話を見破る技術

2012.3.19 18:17

 富士通は19日、名古屋大と共同で、通話中の声の抑揚などを分析して「だまされやすい心理状態」を自動的に検知し、振り込め詐欺などの被害を未然に防ぐ技術の開発に世界で初めて成功したと発表した。同社はスマートフォン(高機能携帯電話)のアプリなどとして実用化を目指す方針。

 年間128億円(平成23年、警察庁調べ)に上る振り込め詐欺被害の抑制に役立つことが期待される。

 同技術は、人間が好ましくない情報を過度に受けて信じ込んだ際に、心理的な抑圧から、発する声の高音部分の周波数が通常時と比べて平坦(へいたん)に変化するという特性を利用。開発段階の実験では、「会社で不祥事を起こした」「交通事故を起こした」といった振り込め詐欺の典型的な通話を50回繰り返し、声の変化を90%以上検知することに成功した。

 また、振り込め詐欺で用いられることが多い「補償」「訴訟」などのキーワードを自動抽出する機能と組み合わせれば、検知精度がさらに向上するという。同社はこの技術を応用し、詐欺通話を自動検知して家族などの関係者に通知し、被害を防ぐサービスにつなげたい考え。

 開発は、同社と武田一哉・名大教授(情報科学)らの研究グループが21年に開始。実用化に向け、同技術を組み込んだ携帯電話などを使った実証実験を、警察大学校や名古屋銀行と共同で月内にも始める。


http://sankei.jp.msn.com/economy/news/
            120319/biz12031918180009-n1.htm


富士通、 名大と共同開発