新「iPad」をiFixitが分解

ディスプレイはSamsung製でメモリは1Gバイト

ITmedia ニュース 3月16日(金)11時7分配信

 

分解された新iPad
 米Appleの一連のモバイル製品の分解マニュアルを掲載しているWebサイトiFixitが3月15日(現地時間)、オーストラリアで入手した米Appleのタブレット、新「iPad」の分解写真を公開した。少なくともiFixitが入手した個体のディスプレイは韓国Samsung Electronics製だったようだ。

 

 

 9.7インチの「Retina Display」の背面に記された型番から、iFixitはこのディスプレイはSamsung製と判断した。

 Appleが公式には発表していないメモリ容量は、うわさ通り1Gバイトだった。ロジックボードにはエルピーダメモリの4Gb LPDDR2が2個あり、合計で1Gバイトになる。Wi-FiチップはBroadcom製、通信チップはLTEをサポートする米QUALCOMMのマルチRFチップで、モデムもQUALCOMM製だ。16GバイトのNANDフラッシュメモリとMCPメモリは東芝製。

 iFixitは、デュアルコアプロセッサとクアッドコアグラフィックスを組み合わせたSoCの「A5X」(iPad 2の「A5」と同じSamsung製)のカバーを外した写真も掲載している。

 Retina Displayでの10時間駆動を実現するというバッテリーは、125×65×4ミリのセル3つで構成されており、電力量は43ワット時。

 iFixitは、2003年に創業した、Apple製品を中心とするハードウェアの修理を請け負う企業。歴代のiPod、iPhoneの修理のための分解マニュアルを公開している。同社は新iPadの「修理しやすさ度」を、iPad 2と同じ10段階で2と評価した。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=
                20120316-00000018-zdn_n-inet

     修理やバッテリ交換は困難

新しいiPadは、42.5Wh(ワット時)のバッテリを搭載し、「iPad 2」の25Whのバッテリよりも大容量になっている。そのため、新型iPadはiPad 2よりもわずかに重く(新型iPadは652g、iPad 2は601g)、厚くなっている(新型iPadは9.4mm、iPad 2は8.8mm)。

 新しいiPadとiPad 2のバッテリ駆動時間は同等の最長10時間。新型iPadが搭載する新しいデュアルコアの「A5X」プロセッサとクアッドコア・グラフィックスが、バッテリを消費すると考えられる。

 

 新型iPadのピクセル数 iPad2から2倍に増え、その高解像度ディスプレイはHDテレビをも上回る、とAppleは3月の発表会で強調した。当然、画面表示にはバッテリを消費するので、2,048×1,536ピクセルの解像度には大容量バッテリが必要になる。

 iFixitが明らかにする新しいiPadのパーツは次のとおり。

  デュアルコアのA5Xプロセッサ(クアッドコア・グラフィックスを統合)

  9.7インチのLEDバックライトIPS液晶ディスプレイ(2,048×1,536ピクセルのRetinaディスプレイ)

 16GB、32GB、64GBの東芝製NANDフラッシュ・メモリ

 5メガピクセルのHD対応背面カメラ

 1GBのDRAM(4Gb Elpida LP DDR2×2枚)

 Broadcom BCM4330 802.11a/b/g/n
 Baseband/Radio with Integrated Bluetooth 4.0+HS

 Qualcomm MDM9600 3G and 4G wireless modem (予想されていた第2世代のMDM9615ではない)

 Qualcomm RTR8600 multi-band/mode RF transceiver for  LTE bands

 iFixitによると、今回の分解で最も困難だった点は、ガラス・パネル画面を取り外すことだったという。分解担当者は、接着剤を緩めるためにヒート・ガンを使用し、ギター・ピックと吸着カップを使ってガラス・パネルを外した。ガラス・パネルは傷つけないで取り外せたが、「前面の接着剤を取り除くのは極めて難しい」、とiFixitは述べている。

 

 これは、やがて問題を引き起こすことになるだろう、とiFixitのカイル・ウィーンズ(Kyle Wiens)氏は述べる。Appleは、紙の教科書に代わるものとして、iPadを高等学校に積極的に売り込んでいる。これにより、iPadの破損やバッテリ交換などが、学校運営での課題となる。

 「これはいずれ問題となる。しかし、学校がそれを予期しているかどうかはわからない」とウィーンズ氏は述べる。「学校はいま、iPadを修理する良い方法を模索する必要がある。さもなくば、サービスに多額の金銭を支払うことになるだろう」(ウィーンズ氏)

http://www.computerworld.jp/
              topics/614/Appleウォッチ/201969/