高齢者移住計画

 

エネルギー施設や劇場も

 「プラチナ構想ネットワーク」(事務局・東京都)の小宮山宏会長(三菱総合研究所理事長)らが6日に記者会見で明らかにした秋田県大潟村への移住計画。首都圏から60〜65歳を中心に250世帯500人を移住させる構想で、ネットワーク顧問を務める県立大の柚原(ゆはら)義久副理事長は会見で「大潟村に新しい高齢者の移住村をつくる」と意気込みを語った。

 この計画は、秋田市のNPO「秋田CAPプロジェクト」もネットワークとともに進めている。

 同NPOの関昌威理事長(秋田ゼロックス社長)によると、同NPOの構想では、移住の第1陣は約25世帯を想定。60〜65歳の経験値の高く、活動力のある世代が対象という。経営管理の担当者や販売戦略の専門家など「即戦力」となる世代に移住してもらうほか、一定数の若者も呼び込みたいという。

 移住者住宅は県立大大潟キャンパスに隣接する約5ヘクタールの県有地に建設する。移住者は村民の指導で農業に従事したり、農産物販売で農家に助言したりする。主力産業は体力的負担の少ない園芸になる予定。1世帯当たり約100平方メートル程度の土地を利用してもらう。

 このほか、ごみ処理施設やエネルギー施設、劇場などの交流施設も設ける。総事業費は約20億円程度となる見通し。移住する1世帯当たり約1500万円を徴収して資金調達するほか、国からの助成も期待しているという。

 高橋浩人・大潟村長は「具体的な事業化は調査結果を見てからだが、事業には期待感を持っている」としている。

 ただ、村総務企画課は「上下水道などのインフラ整備だけで億単位の資金が必要。今後、民間企業など各団体との話し合いを慎重に進める必要がある」としている。



                  (2012年3月7日  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/otona/news/
            20120307-OYT8T00284.htm?from=os4


秋田県大潟村