福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)は12日、長崎半島東岸の長崎市北浦町で、8400万年前(白亜紀後期)の地層から、草食恐竜「ハドロサウルス類」の大腿(だいたい)骨とみられる化石が見つかったと発表した。

 長崎半島では以前にも先端部にある同市野母崎地区で、同年代の地層からハドロサウルス類の化石が見つかっており、同博物館は「恐竜の化石が続々と発見される可能性がある」としている。

 哺乳類の化石を調べていた同博物館の宮田和周(かずのり)・主任研究員(43)が2004年、岩の表面に今回の化石の一部が出ているのを発見。11年4月、同市科学館と共同発掘し、形状などからハドロサウルス類の骨と推定した。

 右大腿骨の上半部で、長さ41センチ、幅23センチ。骨の大きさなどから全長約6メートルとみられる。ハドロサウルス類はアジアや北米に生息し、口先がカモノハシのように平たいのが特徴。国内では、同市のほか兵庫県・淡路島、北海道など計5道県で化石が見つかっている。今回の発掘現場から南西に約15キロ離れた野母崎地区では、04年に見つかった化石が、10年になってハドロサウルス類の大腿骨とわかった。

                     (2012年3月12日19時06分  読売新聞)


長崎の地層から恐竜化石

ハドロサウルス類か