「現代の小説にまさる」という救出劇

 津波で孤立状態となった宮城県気仙沼市の気仙沼中央公民館から東京消防庁のヘリで救助された被災者3人が16日、都庁を訪問した。

 避難者が携帯メールで発したSOSが、簡易投稿サイト「ツイッター」を通じて猪瀬直樹副知事のもとに届いたことが、早期救出につながった。

 都庁を訪れたのは、障害児施設マザーズホーム園長の内海直子さん(59)、一景島保育所長(当時)として園児71人と避難していた林小春さん(60)ら3人。

 震災当日、公民館には2階の天井近くまで津波が押し寄せ、3階に逃げた約450人が孤立。夕方には建物の周囲が火の海となった。

 内海さんはロンドンに住む長男の直仁さん(32)に「火の海、ダメかも」とメールを送信。母の窮状を知った直仁さんがツイッターに救助を求めて書き込んだところ、メッセージをたまたま目にした猪瀬副知事が東京消防庁のヘリを翌朝出動させるよう指示し、発生から18時間ぶりの救出につながった。

 林さんは、園児たちが「ヘリのおかげで助かりました」と書いたカードを猪瀬副知事に手渡した。石原慎太郎知事も途中で顔を見せ、「現代の小説にまさる救出劇だ。ぜひ映画にしたいよ」と語った。

                    (2012年3月18日07時01分  読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/
                 20120317-OYT1T01019.htm?from=main2