携帯電話の電波がつながりやすい「プラチナバンド」と呼ばれる周波数帯(700〜900メガヘルツ)について、総務省は29日、900メガヘルツ帯をソフトバンクモバイルに割り当てることを決めた。ソフトバンクは基地局整備などに8207億円を投じ、通信環境を改善する。一方、地上アナログ放送の停波で空きが出る700メガヘルツ帯についても、今夏をめどに3社に各20メガヘルツを割り当てることにした。

 総務相の諮問機関「電波監理審議会」に審査案を提示、了承された。割り当てには、NTTドコモ▽KDDI(au)▽イー・アクセスを含む4社が応募。ドコモとKDDIは既に800メガヘルツ帯を持っており、大手3社で唯一、ソフトバンクがプラチナバンドを保有していないことが決め手となった。

 周波数の割り当ては、同審議会の結論を踏まえ、総務相が認定する。審査では、ソフトバンクの電波が混雑しているうえ、900メガヘルツ利用開始時期を4社でもっとも早い今年7月とした整備計画の早さなども評価された。また、プラチナバンドの活用には基地局などの追加整備が必要だが、同社は12年度からの11年間で8207億円の設備投資を計画し、ドコモ(2313億円)やKDDI(2536億円)をしのいだ。

 一方、700メガヘルツ帯の割り当ては、スマートフォン(多機能携帯電話)の普及に伴う通信量の急増に対応するもの。当初は2社に各30メガヘルツを割り当てると見られていたが、「より多くの事業者に割り当てて競争を促す必要がある」(総務省幹部)ことなどから方針転換した。【種市房子】


毎日新聞 2012年2月29日 18時02分(最終更新 3月1日 0時53分)


プラチナバンド

900メガヘルツ帯 ソフトバンクへ