巨大自然災害への対応 不十分

米原子力学会

2012.3.9 11:53 米国

 米原子力学会は8日、想定を超えた巨大な自然災害による原発事故を防ぎ、被害を最小限に抑えるため、原発規制当局は規制の内容や原発の設計を見直すべきだとする報告書をまとめた。東京電力福島第1原発については、津波に対する設計が必要レベルに達していなかったと指摘した。

 報告書は、想定外の自然災害に対処するためには、発生の確率と、起きた場合の被害の重大さのバランスを考えながら総合的に規制を進める新たな手法を導入する必要があると強調。日本がこうした手法を採用していれば、福島第1原発事故の原因となった千年に一度の規模とされる津波のリスクを見逃すことはなかっただろうとした。

 また、米国には原発から半径16キロ以内の範囲の避難計画を策定するよう義務付けた規制があるが、規制の根拠がはっきりしないと批判。原発の規模や周辺の人口などを考慮し、地域に応じた計画を作るよう求めた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/
                    120309/amr12030911560002-n1.htm


ロシアの専門家が福島事故後の日本側対応に苦言 「価値ある協力」が行われていない

2012.3.18 17:06

 ロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所のボリショフ所長はタス通信に対し、福島第1原発事故後、日本と各国の原発関係者の「価値ある協力」が行われていないと述べ、日本側の対応に苦言を呈した。同通信が17日伝えた。

 所長は、日本の政治家や官僚らは「(事故後)世界中を回ったが、それらは形式的なものだ」と指摘。また、旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の教訓を日本が生かさなかったのは「システム上の誤り」と強調。「日本は、スタッフの規律が高いためチェルノブイリのような過ちを繰り返す可能性はないと決め付けていた。結果的に、深刻な事故の際、何をするべきか学ばなかった」と述べた。

 一方、旧ソ連も79年に事故が起きた米スリーマイル原発について、同原発の事故から表層的にしか学ばなかったと付け加え「他者の失敗から学ばない者は、自らの失敗で学ぶことになる」と強調した。(共同)


http://sankei.jp.msn.com/world/news/
                   120318/erp12031817080001-n1.htm