杉原千畝のレリーフ



 八百津町出身で、第2次世界大戦中、「命のビザ」を発給して約6000人のユダヤ人難民を救った外交官として知られる杉原千畝(ちうね)の偉業をたたえるため、母校・早稲田大学のOBが千畝のレリーフを作り、12日、同町に贈呈した。

 千畝は1918年に同大教育学部の前身の高等師範部英語科予科に入学し、19年に外務省の官費留学生に採用されたため中退した。千畝の顔が彫り込まれたレリーフは縦90センチ、横70センチで、同大OBの政財界関係者らでつくる稲門杉原千畝顕彰会が作った。

 この日は同町の「人道の丘公園」で贈呈式が行われ、稲門会の山本有二事務総長は「千畝の人道的な精神は、次世代にも受け継がれるだろう」とあいさつし、赤塚新吾町長も「千畝が残した平和の尊さをこれからも伝えていきたい」と喜んだ。レリーフは同公園内の杉原千畝記念館に置かれる。

 贈呈式にはイスラエルのニシム・ベンシトリット駐日大使も出席し、「千畝が救った難民の子どもや孫は25万人にのぼる。イスラエル人は、その功績を永久に忘れない」と語った。


                  (2012年3月13日  読売新聞)



八百津町に贈呈