初上場イェルプ

米株はエネルギー株主導で反落

ロイター 3月3日(土)8時33分配信


[ニューヨーク 2日 ロイター] 2日の米国株式市場は薄商いの中、反落。原油安を嫌気し、エネルギー株が下げを主導したほか、工業・金融株を含む他の景気敏感株も売られた。

S&P総合500は年初来の上昇率がおよそ9%に達している。だが経済指標がまちまちの内容となっていることに加え、イランとイスラエルの緊張が高まっていることを受け、投資家の間で上値を積極的に追う動きは見られない。

JPモルガン・ファンズの首席市場ストラテジスト、デービッド・ケリー氏は「やや押し戻された格好だ。大幅な上昇局面の後では無理もない」と指摘。「大きな材料が出ない限り上昇は続く見通しだが、欧州・中東情勢をめぐる不透明さから、非常に緩やかな上昇にとどまる」との見方を示した。

この日はディフェンシブ銘柄の通信株がしっかり。AT&T<T.N>は0.8%、ベライゾン・コミュニケーション<VZ.N>は0.6%それぞれ上昇した。S&P通信株指数<.GSPL>は0.5%高。

ダウ工業株30種<.DJI>は2.73ドル(0.02%)安の1万2977.57ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は12.78ポイント(0.43%)安の2976.19。

S&P総合500種<.SPX>は4.46ポイント(0.32%)安の1369.63。

週間ではダウが0.05%下落。S&P総合500とナスダックはそれぞれ0.3%、

0.4%上昇した。S&P総合500は3週連続の上昇となった。

2月に入り15%強上昇している原油価格だが、米原油先物はこの日、およそ2%安の1バレル=106.70ドルで終了した。

原油価格に連れ安し、S&Pエネルギー株指数<.GSPE>は1.1%下落。石炭大手ピーボディー・エナジー<BTU.N>は6.5%急落。エクソンモービル<XOM.N>も0.6%安となった。

エクソンモービルの時価総額は4092億5000万ドルとなり、時価総額でトップの座を奪われたアップル<AAPL.O>に1000億ドル程度水をあけられた。

この日初上場したイェルプ<YELP.N>は、新規株式公開(IPO)価格を63.9%上回る1株24.58ドルで終了。一時は73%高となる26ドルまで買われる場面もあった。同社は飲食店など地元ビジネスの評価サイトを手掛けている。

食品・飲料・家庭用品メーカーのサラ・リー<SLE.N>は7.1%値を上げた。コーヒー・紅茶事業のスピンオフ(分離・独立)完了後に特別配当を実施する方針を示したことが追い風となった。

オンライン写真サービス大手のシャッターフライ<SFLY.O>は16.5%急伸。同社は、経営破綻したイーストマン・コダックからオンライン写真サービス事業を2380万ドルで取得することで合意した。

ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は約60億2000万株で、昨年の1日平均の78億4000万株を下回った。


yelpのHP