トルコ旅日記

(2012221日〜31)

その4

杉浦 久也 さん

225日(土)コンヤ/パムッカレ/晴れ

800出発 今日の最終目的地はパムッカレで、430キロの行程である。バスの窓から眺めていて、一つ気づいたことがある。住宅の屋根に小型のドラム缶のようなものが立っている。キューちゃんの説明によれば、トルコでは太陽光による温水器が非常に普及しているそうだ。





                住宅の温水器群
われわれを乗せたバスは、途中トイレ休憩2回以外は、快調に走り続ける。トルコでは一般道でも、片側2車線の道路なら制限速度が90キロ、高速道でも100キロだそうだ。雪を戴く山と山の間は広大な平原が広がっている。食糧自給率が180%だというのもうなずける。キューちゃんによれば、世界では「フランスパン」などとありがたがっているが、使われている小麦はトルコ産だそうだ。あるいはまた、イタリアで使われるオリーブオイルの多くはトルコから輸入されたものだ。トルコは一大農業国でもある。

トイレ休憩したドライブインの店先で、かわいい娘さんがザクロジュースを売っていた。大きなザクロの実の端をナイフで切り落とし、手押しの圧縮機にかけると深紅色の液体が流れ出る。23個潰すとコップ一杯になる。やや渋みと酸味があるが、甘くておいしいザクロ生ジュースだ。

1330パムッカレに到着。レストランで昼食を摂ったあと、1400「綿の城」と呼ばれる有数の観光地に向かう。曲がりくねった道をしばらく上って行くと、左手に雪をかぶった山が目に入る。ババ山だ。ババとはトルコ語で「おとうさん」の意味だそうだ。

駐車場でバスを降ると、そこはヒエラポリス遺跡の入口であった。数分歩くと遥か右手前方に古代の円形劇場が見える。しかし真っ先に見たいのは「綿の城」の方である。左手に折れて、「棚田」に向かう。



                      ザクロジュース売りのお嬢さん



             
       ババ山

真っ白な石灰岩でできた「棚田」風の景観が眼下に広がる。息を呑む絶景である。夢中でシャッターを切る。

ここにはもう一つ名物である。足湯である。ひとしきり写真を撮った後、靴と靴下を用意されたビニール袋に入れ、勢いよく流れるぬるま湯に足を入れる。実に爽快だ。



                        パムッカレ



                        家内と足湯を楽しむ筆者

足湯を堪能したあと、ヒエラポリス遺跡を探索。



                         ヒエラポリス円形劇場

一般人が泳ぐことのできるプールがある。澄みきった水の底に、石柱や他遺跡の破片が転がっている。



          
プールの底には遺跡の破片が転がっている

17時ころ今夜の宿泊ホテルColossae Thermalに到着。

夜ベリーダンスのショーがあったが、観る気にならず、早くベッドに入る。

226()晴れ/パムッカレ 6/エフェソス 19

気温の変わりように驚く。アンカラではマイナス10℃で、震えたのだが、エフェソスでは汗ばむ陽気だ。

730出発 アイドゥンを経て、エフェソスに向かう。215キロ約3時間の行程だ。途中革製品の専門店に寄る。また例によって、羊の皮がいかに良いか、牛革と比べその感触の違いを体感させられる。ついでファッション・ショーが開かれ、羊の皮で作ったさまざまなデザインの服をまとった美男美女モデルが颯爽と登場する。われわれのグループから男性1名、女性2名が指名され、プロのモデルと腕を組んで舞台に登場したが、堂々とした態度に感心した。

結局、家内が黒の手提げバッグ、小生がこげ茶の札入れを買い求め店を出た。

             
           
                      ファッションショーの一場面

11時半ころ、アルテミス神殿遺跡を見学する。高い石柱が一本佇立している。写真を23コマ撮って引き上げる。



                
アルテミス神殿跡



           
街路樹としてミカンの木が植えてある

1150レストランに入り、昼食。花瓶に桜の花が活けてあったのには驚いた。主菜が羊肉の串焼きが出た。肉が1センチ角くらいだったのには驚いた。味の方は申し分なかった。

道路の両脇にはイチジク、ザクロ、ミカン、オリーブなどの果樹園が延々と続いていた。

1245エフェソスの遺跡に到着。規模の壮大なこと、保存状態の良いこと、で他の遺跡群を圧倒している。キューちゃんの説明を聞きながらメインストリートを図書館跡まで歩く。面白かったのは、図書館の正面が売春宿になっていたことだ。図書館から売春宿へは地下道で結ばれていて、亭主どもは奥さんには図書館へ調べ物をすると言って出かけ、実は売春宿で遊んでいた、とのことである。



                        エフェソスの円形劇場跡



                        メインストリート跡



                          図書館跡

エフェソス見学後、バスはアイワルクに向け北上する。225キロ約5時間の行程だ。大粒の雨がフロントガラスを濡らし始めた。今まで上天気に恵まれてきたが、これから崩れるのか気がかりだ。イズミールというトルコの第三の都市を通り抜け、夕方本日の宿泊地アイヴァルクのホテルGrand Temizelに到着。

ここでも大勢の日本人男女学生と同宿となる。食堂で見かけた女子学生の服装が気になった。ほとんど腰までしかないワンピースを着ているだけで、生脚を惜しげもなく出している。あれでは男らによからぬ気を起こさせても仕方ない、とわが女房は息巻いている。

このホテルの料理は、野菜の種類と調理法が変化に富み、味付けもよい。反面魚や肉類が少ない。イワシの焼いたのと、肉団子だけであった。

23時過ぎ就寝



                               (その4 終了)


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