旧東海道を行く(7):新居〜浜松   27,009歩  

                                             水野 昭彦 さん

 先回は吉田の宿(現豊橋)から新居の宿まで歩いたので、今回は新居から浜松まで歩くことにした。
新居町の駅頭に立ったのは午前9時。6月下旬、梅雨の晴れ間を見込んでの歩きで、やはり蒸し暑い。
熱中症に罹らないよう注意しなくてはいけない。ただ、歩き始めると、海風があり、何とかなりそう。
 旧東海道は新居から舞阪まで船で渡った。現在は、浜名大橋を車で渡れば5分程度。便利な世の中。
歩きでは国1の脇の歩道をてくてく。約1時間である。途中弁天島では神社の祭礼がおこなわれていた。

  


《浜名大橋》

 

 

 舞阪には立派な脇本陣が残されている。見学無料。『脇本陣がこれほど立派に残されているのはここだけです。』と
受付の女性が少し誇らしげに話してくれた。『以前は街道ギリギリまで建物があったが、改築して少し引っ込んだため
その分坪庭も狭くなってしまいました。』と。坪庭から青空が覗け、心地よい風が座敷に吹き込んできた。静かに時が
流れ、贅沢なひと時を味わった。

 
《舞阪は漁業の町。珍しい〔たたみいわし〕ののぼりを見て、店に入り購入》

 

 約1km程ある舞阪の宿を抜けると、立派な松並木があった。トイレがあったので休んでいると、元気な子供の声が
聞えてきた。見ると、女の子4人で一生懸命歌いながら踊っている。3年生位の子がリーダーらしい。元気な子どもの
声は聞いているだけで楽しい。『上手だね。』と声を掛けると、ますます元気に踊ってくれた。何かの練習なのだろう。
暫くすると、『ありがとうございました。』と挨拶をお互いに掛け合って終わった。

《街道の両側に見事な松並が続く。600〜700mはある》


 

 松並を抜けると家並が続く。朝、浜松から歩いてきたという女性と声を交わした。『浜松からは県道の脇をひた歩きに
歩いただけ。何の変哲もなく暑いだけだった。』『もうじき立派な松並がありますし、舞阪には脇本陣もあり面白いですよ。
頑張って、気を付けて行ってください。』 東京の女性。新居まで行くらしい。私と反対コース。他にも豊橋の男性など
2〜3人の人と出会った。同じ思いを持っている人と出会い、話すのは面白い。一言交わすだけでも元気になる。

  

  
 《浜松の本陣跡の看板。浜松には6か所の本陣があったのだが、この杉浦本陣が一番大きかったとか》
 
  街中の側道を歩くのは面白くない。後半は蒸し暑さとの戦いだった。それだけに浜松本陣跡に着いた時には
 正直ホッとした。午後3時半だった。

                                                                 20160702