会長だより




平成20年3月21日   会長だより(4号) 松原 眞志夫 
 
 
    小金潔先生を悼む
 
 
本会顧問で元愛知県教育委員長、元愛知県教育長 小金潔先生には、去る3月10日(月)午後4時44分、79歳で逝去されました。
 
ご葬儀は、13日(木)にしめやかに執り行われました。
 
先生は、昭和16年に愛知県豊橋中学校(現時習館高等学校)にご入学になり、勉学に秀でられるとともに蹴球部でひたすらボールを追っておられましたが、太平洋戦争突入とともに敵国の球技という理由で廃部となるなど、戦時下に厳しい学びの生活を送られました。
 
その様子は、後に、先生が当時の学友の皆さんに呼びかけ、自ら編集の中心になって完成された『戦闘帽の中学生』(平成12年刊)によく表されています。亡くなられた方々への鎮魂の思いが溢れた記録文集になっています。
 
昭和25年に名古屋大学を卒業され、教育の世界に身を投じられましたが、人間としての大きさ温かさ、豊かな洞察力などをって、教育行政に重く用いられました。
 
とりわけ、複合選抜制度の発足と教育改革の困難な時期に教育長としてまた教育委員長として本県教育界を導かれました。先生のご逝去は本県にとって誠に大きな損失であります。
 
近年は体調がすぐれず、入院加療なさることが多く、お好きな釣りにこそ出かけられませんでしたが、奥様のお言葉によれば、今年は、温泉、みかん狩り、キノコ狩りなどにいらっしゃたそうで、病状快復の期待もありました。
 
10日は、人工透析から病室に帰られたのち、2時間後に静かに息を引き取られたとのことでした。式場で拝見したのは、実に穏やかなお顔でした。
 
なお、小金先生のご著書は、『自由と経験』(昭和57年刊)、『海図と疾風(かぜ)』
(平成9年刊)などがあります。
 
ここに謹んで先生のご冥福をお祈りいたしますとともに、奥様の上に平安がありますよう心からお祈り申し上げます。
 
 
 


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